本記事は、「サービス管理責任者」または児童福祉法の「児童発達支援管理責任者」について説明していきます。現在その仕事に就いている方や、これから目指していこう!と思っている方へ、現場からその仕事内容をお伝えしていきます。
実際にどちらも経験していますので、参考になるかと思います!
現場からの声シリーズね?
ですね!それでは、まいりましょう!
サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者とは?
生活介護や就労継続支援、または児童発達支援や放課後等デイサービス…どの施設形態においても、現在はいなければならない立場となっております。しかし、「責任者」とあるものの、その施設のトップではない点がポイントです。その上には「管理者」と呼ばれる施設長がいます。つまり、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者はその下の立場であり、現場と施設(または法人や会社)をつなぐ役割とも言える立場となっています。
※サビ管(さびかん)や、児発管(じはつかん)と略すことが一般的です。
上記で、管理者とは異なると述べましたが、実は兼務することができるのです。つまり、「管理者」と「サビ菅、児発管」は一人の職員が兼ねることができます。どちらも施設には必要な立場なので、人員配置上、兼務としているところが多い印象です。
したがいまして、「 サビ菅、児発管 」を目指すということは、管理者を兼ねる場合、施設のトップを目指すと言える場合があります。
私としては、管理者とサビ菅、児発管は、可能なら別の人間がやったほうがいいと思っています。そのほうが、組織的には機能していくからです。事業所が複数ある大きな法人は、人材育成の面も含めて、管理者は施設に一人で、サビ菅、児発管はサービス種別の数だけいてもいいと考えています。(特に多機能型事業所の場合)
サビ菅、児発管は、多くの職員に携わるチャンスがあってもいいわね!
サビ菅、児発管になるには?
所定の資格を持って現場経験を積めば、1~5年で研修を受講できます。所定の資格がなくても、8年間経験があれば研修を受講できます。その研修を受講すれば、晴れてサビ菅、児発管となることができます。
私の場合は、ヘルパー2級の資格で実務経験5年で研修受講しました。研修自体は約一週間程度で、事例検討や講義やら盛りだくさんですが、余程のことがない限り、修了証がもらえないということはないので、その時間その場にいればオッケーです。試験もありませんので、体調を整え、迷うことなく(遅刻せず)研修会場にさえ行けば、誰でも問題なく取得できるものです。
そんなわけで、 取得の過程より、その職務に就いてからが本番!
サビ菅、児発管の仕事内容は?
- 利用者との面談、アセスメントを経て、個別支援計画を作成
- 地域の施設や協議会との連携
- 現場職員への助言、または職場内研修の実施
建前上はこれで合っていますが、実際は少し異なるかと思います。
サビ菅、児発管は、直接処遇の現場職員としてカウントされない(基本的には専従義務がある)ため、現場にはおらず事務所にいるというイメージを持ちがちです。いわゆる、「現場上がり」の立場としてイメージされることが多いと感じます。
しかし、それだけでは施設は回らないので、実際は、「直接処遇の職員としてカウントされなくても、必要に応じて現場にいることが求められる」ことが多いのです。
※サビ菅、児発管は、その業務の妨げにならない程度に、他の業務(送迎など)をおこなうことができる、と解釈されています。
あと、サビ菅、児発管が単独でおこなわなければならない仕事というのも、実はそう多くはないのです。 管理者と兼務した場合はまた少し異なりますが…。
個別支援計画作成から、サビ管を探る!
例えば、サビ菅、児発管という立場で、「個別支援計画の作成」について考えてみましょう。これはサビ菅、児発管にとって大きな仕事ですが、単体でおこなうことはほどんど不可能に近いでしょう。つまり、現場職員と共同して、または自らが施設の支援に携わりながら作成するというものになってきます。また、アセスメントや個別支援計画の説明なども、 サビ菅、児発管だけが携わるのもあまりよくありません。やはり、直接処遇と呼ばれる現場職員との共同作業になってくるでしょう。
結論:サビ菅、児発管とは?
完全な事務職ではなく、現場にも目配せしながら、施設運営のために仕事をする役割となります。管理者と兼務の場合は、その施設と法人を結ぶ役割、兼務でない場合は、現場と管理者を繋ぐ橋のような役割となります。
また、現場職員へのスーパーバイズも含めて、日々の支援の助言や確認、職員や利用者、家族からの種々の相談にも応じることがあります。さらに、書面の確認や決裁など、重要な立ち位置にもなりますね。
参考までに、私の一日を記しておきます!
(※日中支援の仕事で、管理者とサビ菅兼務だった場合)
8:30~9:30
・送迎車にて、利用者のお迎え
・送迎がない時は、事務仕事と掃除
9:30~10:00
・その日の利用者出席状況、特記事項の確認
・利用者、家族の電話対応
・メール確認など
10:00~12:15
・施設の利用者支援と、昼食介助などの補佐
・請求事務作業(1日~10日の間)
・自立支援協議会参加(月に一度)
・来客対応
12:15~13:00
休憩
13:00~14:00
・施設の利用者支援(休憩職員の代わりに現場入り)
・請求事務作業など (1日~10日の間)
14:00~15:30
・施設の利用者支援の補佐
・法人会議や、サービス担当者会議など
・必要な書類作成や、調整、確認など
15:30~16:30
・送迎車にて、利用者のお送り
・送迎がない時は、事務仕事と掃除
16:30~17:15
・メール確認、電話対応、書類確認
・個別支援計画の作成、確認
・施設の打ち合わせを経て、退勤
いかがでしょうか?こんな毎日を送っていました!
求人状況の実際について
これは、多くの方が気になる部分だと思います。実際、サビ管はその施設にいないとならないため、求人自体は多くあるでしょう。人材紹介サイトでも、かなり優遇されている印象です。
しかし、サビ管・児発管は厳密には「資格」ではありませんので、資格手当てがもらえるわけでもなく、サビ管・児発管の立場でなければ名乗ることさえできません。「サビ管・児発管が取れたから転職しよう!」というのは早計かもしれませんね。
私の考えは、サビ管・児発管はステップアップの一つではなく、施設の中の役割の一つであるという認識です。現場職員の上位互換ではなく、ただの役割の違いに過ぎないと思うのです。したがいまして、サビ管・児発管だった人が、次年度に別の人に代わることがあってもいいと思っています。 逆に、サビ管・児発管だった人が、現場職員になってもおかしいことはないと思います。
要は、持ち回りで決められる班の班長のような役割だと、私は解釈しています。班長がいて、給食係がいて、配布係がいるような。
その考えと、その組織上の役職は別に考えたいところです。サビ管・児発管だから、組織上の役職や昇給レートが上がるとしてしまうと、配置上身動きが取れなくなってきます。
サビ管・児発管は、あくまで施設の中の役割の一つ。このことを意識して、そして、その現場で サビ管・児発管としてどんな動きが求められているかを鑑みて、転職を計画してみてください。
あと、「 サビ管・児発管募集!」という文言の中には、「経験者のみ募集」という思惑が見え隠れしている場合もあります。つまり、実際はサビ管・児発管としての採用ではない可能性も多々ありますので、面接時などに確認してみてくださいね。
そして、先に述べた「サビ管・児発管は、あくまで施設の中の役割の一つ 」という意識も強くなっていますので、当然異動もありえます。その際は、必ずしも「サビ管・児発管」として異動されるわけでもありません。その法人の規模の拡大や縮小、そのとき求められている人材配置などで大きく変わることもあり得ます。
そんな理由で、転職の際は「サビ管・児発管 」だけではなく、きちんと評価される資格を手にするといいかなと思っています。自分のやりたい事、譲れないこと、その他法人内で評価を受けるために、他の人との差別化(自分の売り込み)も必要かと思っています。
特に転職時に、資格は大きな武器になるでしょう。
最後にあれ、くだらないシャレのやつ紹介しなさいよ。
あ、うん、そうしましょうかね…。
「サビ管は錆びつかない!」
— ケニー🍁となりの福祉士 (@kenny_gby) August 21, 2019
「サビ管」は潤滑油だなぁ、と思う。現場と管理者(または法人)のつなぎ役、外部との折衝など、多くの仕事がある。その施設で一番重要な歯車かもしれない。
だから、「錆び」つかないように、自らの向上に努めることも必要。あと、孤立して「さび」しくならないように。
これこれ!上手いこと言ったって顔が浮かぶわぁ…
(実際上手いもん!!)