はじめに
今回は令和2年4月現在の、私の勤務する地域における、コロナウイルスへの対策を経た上での障害福祉サービスの提供状況を整理していきたいと思います。
現在の状況について
ここでは、定期的に近隣地域の障害福祉サービス提供状況を整理していくことで、今後の対策やそのとき必要なニーズについても考えていきたいと思います。したがって、本記事はコロナウイルスへの対策や状況が変化した時点で追記していきます。同じような状況下の街においては、参考になる部分があるかもしれません。
まず、令和2年現在、私の住む地域においてはコロナウイルスの罹患者が増加しているところです。元々東京都に近いということと、東京へ仕事に行く方も多いことから、今後も罹患者は増えてくものと思われます。
また、状況として、市内の学校は5月6日まで休校、ショッピングモールなどは閉館、街も人出が減っているところです。第一弾の緊急事態宣言の対象地域でもあったため、ある種の緊張感がある印象です。
同じ県内では、障害福祉施設における集団感染が見られたこともありますが、私の地域とは若干異なるため、行政の対応もそこまで厳しくないと感じています。
基本的には、『感染に留意しながら、基本的には開所を継続するように』という指導があります。それでは、近隣地域の障害福祉施設のサービス提供状況を整理していきます。
現在の主な障害福祉施設のサービス提供状況
相談支援事業所
・相談支援専門員は在宅勤務と事務所勤務半々のところが多いです。緊急時対応について、スムーズに繋がらないことが予想されるので、緊急時連絡の方法を確認したいところです。
居宅介護支援(ヘルパー派遣)
・閉所しているところはほとんどありません。居宅を訪問しての支援は、行政からも可能な限り続けるようにという要請があったとのことです。しかし、移動支援などの派遣は交通公共機関の移動や外出ということもあり、閉所している、または受け入れを限定している事業所が増えています。
短期入所
・短期入所をやっている事業所は大きな法人なので、コロナウイルス罹患者が出るまで受け入れ対応を続けるという姿勢を感じます。なるべく閉めないよう、行政からの依頼もあるのだと思われます。
グループホーム
・住いの場なので、継続して開所しています。しかし、一旦罹患者が出た場合の対応として未確立なので、どうなるか心配なところです。就労移行支援・就労継続支援A型・ほとんどのところは閉所しています。在宅支援ということで、電話での支援などに切り替えています。
就労継続支援B型
・主な障害対象で開所・閉所の判断にバラつきがあるように思います。開所しているのは、主な通所対象者が知的・発達障害の方が通う施設です。
生活介護
・閉所している施設は一部で、しかも短期間で開所しています。結果として、閉所している施設は私の知る限りありません。
児童発達支援・放課後等デイサービス
・大きな法人の児童発達支援は開所、小さいところは閉所しています。
開所状況からわかること
各事業所の対応は異なるようにも思いますが、大きな法人のサービス提供事業所は開所を続けています。行政からの開所要請に応えている形だと思われますが、コロナウイルス罹患者が出た場合どうなるか…動向を見守りたいです。
続けざるを得ないサービスとして、居宅介護やグループホームなどが挙げられます。これは生活を支えるという部分で、かなり直に携わる部分なのだと思います。その他、開所をしている通所施設としては生活介護と通所対象者が知的・発達障害の方が通う就労継続支援B型です。
反対に、閉所が多いサービス形態は就労移行支援・就労継続支援A型や放課後等デイサービスです。前者は生活として自立されている方が多く、無理に開所する必要がないからだと思われます。後者は、保護者が家庭で見ることができる(実際は家庭でずっと過ごすことは難しい場合が多々ありますが)という理由での閉所でしょう。
以上のことから、18歳以上の方が通う生活介護や就労継続支援B型事業所は、それ自体に利用者と家族の生活の確保という意味合いが大きいのではないかと思います。というより、元々そのような意味合いも大きかったのですが、この事態でよりそのニーズが前面に出てきたとように思います。
そして、やはり18歳以上の知的・発達に障害を抱える人の居場所の少なさ、支援の少なさが課題として残ります。家族も高齢になり、家庭での支援力も期待できない部分もあると思います。コロナウイルスが収束した後も、このことを忘れずに、継続して取り組みたい課題だと強く認識しています。