以前から気になっていた話題について、先日Twitterで投稿してみました。結果、とてもいい議論ができたので、そのことについてまとめていきたいと思います。
サービス利用者をどう呼ぶか、特に敬称については、以下の記事で私の考えをまとめていますので是非ご覧ください。
私のtweetは以下のとおりです!
保護者・ご家族のご意見
保護者の方からはたくさんのご意見をいただきました。(ツイッターでは鍵がついたアカウントもあり、ご紹介しても反映されないと思われるため割愛しています)
「社会に繋がるために敬称が望ましい」という意見もありましたし、「慣れた呼び名が嬉しい」というご意見もありました。なるほど、どの意見も考えさせられるものです。
「自分で考えて、呼ばれたい名前で呼んでもらう」というお話も伺うことができました。
事業所としてのご意見
事業所の方からは、すべてご紹介できないくらいのご意見をいただきました。実際の実践としては、「成人の場合は〇〇さん」といているところが多く、児童の場合は「ご家庭で呼ばれている名前に準拠」「契約時に呼ばれたい名前をアセスメントする」というパターンもありました。
「慣れた名前で呼ばれたほうがいい」というご意見に対して、「これから社会にでて呼ばれ続けるのは〇〇さんだから、いつかはそれが慣れた呼び名になる」というご意見もありました。さらに、「障害者だからといって、大人になっても愛称やくん、ちゃんはおかしい」という意見もありました。
私としては、少なくとも年齢は意識していきたいところだと思いました。障害があってもなくても、年上の方には敬意を持った呼び名が望ましいのではないかということです。
「相手との親密さ、親近感を持つためには愛称やくん、ちゃんのような柔らかな呼び名が最初のきっかけにいいのではないか」というお話もありつつ、「0歳でも〇〇さんであるべき」という話もでて、この議論に関する深さを感じたところでもあります。
これらのご意見を踏まえて、私としては「敬称を用いる理由を考え続けることで見えてくるものがあるということと、敬称だけ相手への敬意を示すものではない、そして、呼称だけが相手との親密性を表すものではない」という考えに至りました。
そんな中で、「自分の呼ばれたい名前で呼ばれる」ことは、とっても素敵なことなんだろうなと思いました。
その他のご意見
このお二人のご意見、お話しとして通じる部分があると思い、まとめに代えさせていただきます。本当に貴重なお話で、一晩近くこのお二人のtweetについて考えていました。考えるきっかけをありがとうございます!
さて、少しだけ考察します。
おそらく、この呼称についての問題は「福祉のサービス提供事業所だから」生まれる問題なのだと思います。少なくとも、ホテルではこのような問題は生まれないでしょう。基本が、〇〇さま(またはお客さま)、となるはずなので。
事業所からいただいたご意見の中で圧倒的に多かったのは「〇〇さんであるべき」という意見でした。しかし、その反面「そうでなくてもよいのでは」という思いがあっての上、という気持ちも読み取ることができました。ここが、サービス業はサービス業でも、「福祉」である所以なのかなと思ったところです。だから、様々な意見があるし、想いがあるし、こうした議論は正解がなく面白いところだと思っています。
ただ一点、障害のある方と社会との関連性を考える上で、呼称の問題は避けては通れないのだろうということです。
そして何より大切なのは、「いろんな場所があってもいい」ということだと思うのです。敬称で呼ばれる場所、愛称で呼ばれる場所、好きな名前で呼ばれる場所。その選択肢が少ないが故、いや、少ないというより、成人になればなるほど、限られた福祉サービスに頼らざるを得ない現状があるため、福祉サービス間で呼称に差があり、議論になると思われるわけです。本来であれば、友人関係、家族関係、趣味の集い、職場…「それも含めていろんな場所の一つ」となるはずだからです。
最後に、「障害者であっても社会に出たら敬称で呼ばれるべきだ、なぜなら私たちも職場では敬称で呼ばれるのが当たり前だから」という私が思っていた、(今現在もそう思う立場でもあります)社会に出る障害者に対する敬意の示し方めいたものは、ひょっとしたらただの固定観念なのかもしれません。
つまり、いろんなご意見をいただき考えたことは、本人たちが一番好きな呼称で呼び合う職場があったとしてら、それはそれで面白いのではないかということです。
素敵だな、そんな場所作りたい、なんて。