利用者の呼び方について ~敬称の大切さ~

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支援力をつける人財

 福祉施設での利用者の呼び方は、みなさんどうされていますか?療育現場などの子どもの施設、または高齢者の介護保険の施設で異なるのでしょうか?

 そして、どんな呼び方が適切なのでしょうか。この記事では私の体験を元に、『敬称の大切さ』について考えていきたいと思います。

今回は、支援の現場から、利用者さんを呼ぶときの敬称の大切さについてお話します。

ふーん、「警鐘」を鳴らすのね?

あいたたたー!机に指をぶつけましたが、「軽症」でした!

さっさとはじめましょ。いらん茶番だわね

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呼び方の種類について

 利用者さんを呼ぶとき、どんな風に呼んでいますか?『○○さん』、『○○ちゃん』、または『あだ名』でしょうか。児童の施設では、呼びつけということも考えられますね。逆に、『○○さま』という高齢者の施設もあります。さて、正しい呼び名はあるのでしょうか?

 やや余談ですが、子どもの名前を付ける時に、『~さま』と付けてみて違和感のないものがいいだろう、なんて話があります。例えば、明らかに有名なアニメのキャラクターとかですと、小さい頃は可愛いかもしれませんが、大人になったら…?

 そう、大人になったら…というところが、この敬称の話のポイントでもあります。そして、私たちも職場や学校でどんな風に呼ばれているか、今一度考えてみたいところです。

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関係性から、呼び名は自然に導かれる

 例えば、施設の利用者と職員だとします。これは、サービスを受ける利用者側と、提供する職員側ということができます。もちろん、優劣の関係じゃありません。

 さらに、利用者さんはお客さまとも言えるのですが、お客さまとしておもてなしの精神が過剰だと、利用者の自立支援の原則を妨げることにもなってしまいます。

 これが、利用者と職員の関係を分かりにくくさせてしまう要因です。お客さまであることは間違いないけど、一般的にイメージされる物を媒介としたサービス提供とは異なる部分です。

 そこで、逆に考えてみましょう。利用者と職員の関係は、家族でもなければ、友だちでもありません。一つ確実に言えることは、「信頼関係を構築して、はじめて効果が発揮される関係」だということです。それでは、その信頼関係の構築のために、どんな風に利用者さんを呼んだらいいかを考えていきたいですね。

結論から言いいますと、私は「○○さん」としています。

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信頼関係構築のために ~具体例から~

例)ワンコのメグが、お皿を派手にひっくり返しました。

へ?そんなヘマしないわ。まぁいいけど。

①メグ!お皿ひっくり返したのかよ!
②メグさん!…お皿ひっくりかえしちゃったのね。

 さて、いかがでしょうか。①と②で、ずいぶん聞こえ方が違いますよね。

 もうお分かりのように、『さん付け』をすると、その後の声掛けも優しくなります。むしろ、人のことを乱暴に呼ぶ癖がついてしまうと、そのあとに続く言葉も当然雑で聞き苦しいものになります。場合によっては、虐待に結びつく可能性だってあるのです。

 敬称ひとつで、利用者さんとの関わり方が変わる可能性があるのです

つまり、信頼関係の構築には、丁寧な声掛けが必須ということです。

 もちろん、これは職員間でも同様です。どんなに親しい間柄でも、敬意を持った呼び方ができていないと、関係性もあいまいになり、仕事にも差し支えるでしょう。仕事は仲良しクラブではないので、他の職員と一定の距離感を保つためにも必要なことだと私は思っています。

 支援中、思うようにいかなくてつい乱暴な語気になりそうなとき…また、嫌な言葉を使ってしまうそうなときもあるかもしれません。

 そんなときにも、敬称は助けてくれます。上記の例で挙げたように、敬称の後の言葉は優しい含みを持ったものになるのです。

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敬称について、日々実感すること

 私がいるところは、障がいを持つお子さんもおられます。そして、もれなく全員『さん付け』です。どんなにお子さんが小さくても、それは変わりません。言葉も、平易で丁寧にするよう心がけています。

 子どもであっても、敬意が必要だと思います。サービスの利用者だからではなく、人間としての敬意です。それは、仮に親しみを込めていても、呼びつけでいいのでしょうか。もちろん、機械的に『さん付け』しても効果はありません。なぜ、そのように呼ぶのか。うちの事業所では、それを考えながら日々支援をしています。

 また、この試みをはじめてから、利用者さん同士の会話も優しくなりました。もちろん、お互いを呼びあうときも『○○さん』です。全体的に落ち着いた雰囲気にもなり、その効果を実感しています。

 よその施設のことはあまり言いたくありませんが、利用者・職員含めて言葉が雑な施設もあります。和気あいあい楽しそうにも見えますが、さて、どちらがいいでしょうか。

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『敬称』は将来に繋がる大事なこと

 上記で、「小さいうちから、さん付けで呼んでいる」と書きました。小さいうちは、あだ名や呼びつけでもいいんじゃないの?という声も聞こえてきそうです。では、逆に聞きます。「いつから、敬称をつけて呼ぶのですか?」と。

 障がいのある方も、いつかは社会に出ます。福祉的就労かもしれませんし、生活介護施設や一般就労かもしれません。そのときに、例えば「ちゃん付け」だったら?おかしいですよね。そして、本人も呼びなれた名前でないと違和感を覚え、何かしらの不適応が起こることもあります。

 もっと言うと、私だって職場であだ名やちゃん付けで呼ばれたりしませんし、そんな職員は今までいませんでした。障がいのある方も同じです。社会に出たときそれに相応しい呼び名があって、それが自分の呼び名だとしっかり認識していく必要があるのです。

『敬称』の大切さ、伝わりましたでしょうか?

多くの人に『継承』したいのね?

お読みいただき、ありがとうございました!!

支援力をつける人財
ケニー

福祉事業所にて、療育、生活支援、余暇支援など直接支援や、相談支援専門員など相談職の経験を積み、現在も福祉に携わっています。その過程で2校の通信専門学校へ通い、福祉の資格取得もしてきました。仕事と家庭生活の両立を目指しています。

また、複数の法人立ち上げの経験から、福祉職としての働き方や組織作りにも積極的に取り組んでいます。

ブログでは、資格取得の道のりや勉強のノウハウ、そして福祉職として働いていくためのマインドを発信しています!
勉強のちょっとした小技や役に立つこと、その他実際に私が体験したことなどをお伝えしていきます。

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