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「児童指導員」ってどんな資格?取得方法・仕事内容・キャリアアップは?

はじめに

 今回は、このところ障害児童分野の福祉サービス(主に施設系)で注目されている児童指導員という資格についてまとめていきます。

 児童指導員という言葉を聞いたことがあるけど詳しいことは分からない方や、ネットで調べてみてもイマイチ感覚が掴めない方に向けて、実際に児童指導員として働いたことがある私の経験から書いていきます。

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児童指導員とは?

 児童指導員とは、正式には児童指導員任用資格と言って、一般的には資格と認識されていますが、取得しても「児童指導員」として勤務をしないと名乗ることができない資格です。それが、「任用資格と」言われる所以です。したがって、児童指導員として働いていないと名刺に書くこともできず、それを証明する資格証なども無いのが現実です。

 その児童指導員ですが、任用されるためにはいくつか手段があります。

※1~6はWikipediaより抜粋、注釈を加えています。

1 地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業
→このルートは、限られた学校しかないので現実的ではありま
せん。

2 社会福祉士
3 精神保健福祉士

→これら二つの国家資格は、児童指導員も含むとみなされます。三福祉士の中で、介護福祉士は含まれないので注意が必要です。

4 学校教育法規定の大学または大学院で社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学部・研究科・学科・専攻を卒業
→このパターンは多いと思います。私は心理学部卒業でしたので、このパターンでした。卒業後、そのことを知ることになりました。

5 幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭の免許状を授与され、教諭となる資格を有する者、すなわち失効状態あるいは有効期限切れになっていない免許状を有する者(学校種や教科は不問)
→このパターンも意外と多いかと思います。社会福祉士、精神保健福祉士と近い感覚ですが、「児童指導員になろう」と思わずとも、結果的に兼ねていたというパターンかと思います。

6 児童福祉施設での実務経験者(高卒以上2年、その他3年)
→このパターンがあることで、ほとんどの方が実務経験のみで児童指導員となることができます。つまり、無資格でも2年間放課後等デイサービスや児童発達支援などの福祉施設で働けば、「児童指導員」として仕事をすることができるようになります。

 1~6の中で、保育士という単語が出てこないことに違和感を覚えた方がいたでしょうか。そう、保育士の取得だけでは児童指導員として認められないことも大きなポイントです。

 児童指導員の任用資格の背景としては、主に児童相談所や役所の子どもに関わる課での専門職員として採用されていた印象が強くあります。そういった意味合いでは、社会福祉主事と似ています。それが、福祉サービスの職員として勤務するにあたっての条件として流用されてきたように感じます。

 少なくとも、措置から契約になり、障害福祉がサービスとなった平成15年辺りの施設勤務条件の一部として、児童であっても成人であっても、「児童指導員任用資格があること」とされていました。私も、その時代は児童指導員として、成人の障害者のある方の支援をしていたことがあります。児童の支援でなくても、必要とされていた時代があったのです。

 それが一旦姿を消し、平成24年に放課後等デイサービスが創設されてから、「児童指導員」は再びよく聞くようになりました。

 今後は、児童の障害福祉分野でますますの活躍が期待される反面、資格取得の価値としてあまり存在感はなく、「児童指導員の取得が最終目標」という位置づけにはなり得ない一面もあります。

 上記1~6の中で実務経験ルートを除くと、これから進路を考える高校生であれば社会福祉士・精神保健福祉士の取得を目指すのが良さそうです。実際、社会福祉士や精神保健福祉士であり、児童指導員任用資格がある人は、児童通所支援(放課後等デイや児童発達支援)の場では専門職加算を取ることができるので重宝されます。

 無資格無経験の方は、2年間実務経験を積むと同時に保育士の取得などしていくと、その後の活躍の幅が大幅に広がります。

 つまり、児童指導員任用資格のみでは、少し心許ないのが現実です。

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児童指導員の仕事内容は?

 ここでは、主な場を障害児通所支援、つまり放課後等デイサービスや児童発達支援として想定します。

 仕事としては、現場で子どもと関わることがメインです。事務仕事や保護者との面談もありますが、主ではない可能性が高いです。

 また、「指導員」とありますが、実際の現場で「指導」の場面はほとんどありません。下記の記事に詳しく書いていますので、是非ご覧ください。

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保育士との違いは?

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児童指導員のキャリアアップは?

 児童指導員として勤務すると、上記の施設においては「児童発達管理責任者」としてのキャリアが見えてくると思います。しかし、一つの施設の中でたった一つのポジションしかない「児童発達管理責任者」になるために、児童指導員だけでは選ばれない可能性もあります。

 実務経験も大事ですが、経験を積みながらの資格取得、例えば保育士の取得など積極的に進め、確実に周りと差をつけることも必要かと思います。

 そういった意味合いでも、これから進路を考える学生さんは「結果的に児童指導員の任用資格を満たしていた」という学校選びをするといいかもしれません。その上で、任用資格ではない資格の取得も同時にすることで、就職の選択肢、さらに就職後のキャリアの選択肢が格段に広がってくると思います。

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まとめ

 児童指導員の求人も増えてきている印象ですが、それは爆発的に数が増えた放課後等デイサービスにおいて、児童指導員の配置の有無が大きな収入の違いを生むからだと思われます。

 そういった意味合いでは必要な資格ではありますが、その先を見据えて、それだけではない自らの価値を身に付けることが、今後は生き残るために必要な一面だと思います。

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