この記事では、障害福祉分野の現場での支援について書いています。もちろん、介護の分野でも応用可能です。どんな風に支援したら生活習慣が確立するのか、その部分についてフォーカスしています。
今回は、利用者さんの支援の中で、生活に即したことを身に付けていく過程を、専門用語を用いず、わかりやすく記します。介護や就労支援の現場でも使える視点ですね。
生涯発達支援の一環ね。対象も幅広いわね。
生活習慣を身に付けるとは?
新しい生活習慣を身に着けること、または本人の中で新しい事柄に挑戦することはとても大事なことです。
そして、我々職員は日々の支援の中で、「何かひとつでも身に付けてほしい」と思っていることでしょう。試行錯誤した支援の成果が出ると嬉しいですからね。
そこで、まずはその「身に付けたい」または「挑戦したい」ということに関して、本当に本人がそれを望んでいるか、ちゃんと説明と同意が必要です。
本人が望まないのに、勝手にハードルを用意してしまうのは、いい支援ではありませんからね。その上で、本人の持つ能力に合ったチャレンジをしていきたいと思います。
よくありがちな支援光景ではありますが、「とにかく課題を用意して頑張らせて、その過程の中でできないことに着目する」のは支援でもなんでもなく、職員の自己満足です。なんでそれが必要なのか、どうしてそれに挑戦するのか。どんなに障害が重くてもそのことを伝え、本人が納得しないことには何もはじまらないのです。
ひたすら、細分化する!
仮に、「窓を開ける」という課題があったとします。これを細分化すると、①窓に近寄り、②右手の指でロックを外し、③右手でサッシをつかんで、④左側に引く、となります。
しかし、もっともっと細かくすることができます。例えば、①は、どれだけ窓に近寄るか、具体的な提示をすることができます。②では、右手のどの指を使うかも関係があります。とにかく、細分化して、その行動を完遂するまでに、どんなステップがあるか、確認していきます。職員間で、「ある一つの行動」を課題にして細分化作業をすると楽しいですよ。
そして、我々はこういった「一連の流れ」をほとんど無意識にやっているのです。この「無意識」の部分を、きちんと言語化(明示化)して、その人に合った方法で伝えていくのが支援の醍醐味ですね!
現場での活用方法
決めた手順は、関わる職員によって差がないように共通のものとします。同じやり方、同じ声掛け(ジェスチャー)をすることで、本人にも伝わりやすくなります。この際、利用者との信頼関係の構築の程度もありますが、同じ職員より複数の職員が関わった方がいいと思います。「その人じゃないとできない」ということを生まないために、複数の職員で共通の支援をします。
もちろん、細分化のステップを一度にすることは困難です。1ステップできたら、本人に伝わる方法できちんと評価(褒める)していきましょう。スモールステップと言われるものです。
ここで注意することは、多少厳しくても、みんなで徹底的に共通認識にすることです。「ちょっと面倒だから省いちゃえ」なんて考えの職員がいると、いつまで経っても成果がでません。サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者、または現場で指導的立場にある方の手腕が問われるところです。とにかく、職員間で浸透するまでは、口酸っぱく指導していきましょう。
サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者 (サービス提供責任者)の役割や求められていることに関しては、こちらの記事をご覧ください!
時間は、とにかくかけてもいい!
私が普段支援している方は、自閉的な傾向のある方、知的に障害がある方、またそのどちらか、または両方がありながら、発達支援が必要な方がおられます。ほとんどの方は、ひとつの行動を獲得することにすごく時間がかかります。一年後、二年後…もっと先かもしれません。ゆっくりと付き合っていくことが、私は大事だと思います。焦らせてしまうと、また振り出しに戻ってしまいます。チームで一貫した支援を続けることが、何よりも難しいことなのですが、一番大切なことです。
もちろん、振り返りは欠かせません。そして、都度見直すことと、本人の様子を記録に付けておくことです。
そして、これは施設だけで完結させることではありません。ご家庭との連携、そして相談支援専門員、ケアマネとの情報交換も必要です。自らの事業所で取り組んでいることをちゃんと公開して、必要な評価を受けることで、その支援はより良いものになってきます。
今回はここまで!なるべくわかりやすく書くよう、心がけました。
いい心がけね!わかりやすいのは好みよ。
現場では、わかっていはいるけど忙しい…なんてこともあると思います。職員同士話し合いの機会もたくさん設けてくださいね。
お読みいただき、どうもありがどうございました!
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