2019年10月 放デイ傷害事件について

スポンサーリンク
ニュースを考察する

 この事件は、放課後等デイサービスで起こった、職員による利用児童(小5男児)への傷害事件です。容疑者は「噛みつかれた」ことを理由に、利用児童に大外刈りをかけ、大けがをさせたものです。なお、容疑者はその経営母体の役員で、母親がその事業所の管理者となっていたようです。

各ニュースから抜粋

当記事では、事実を追求するものではありません。

スポンサーリンク

環境設定は適切だったのか?

 「噛みつかれた」と供述があったようですが、現場レベルだとわりと日常茶飯事です。しかも、普段そのようなことをしないと思われる児童でも、咄嗟に手や口が出ることも多々あります。それを踏まえて、いわゆる他害を生むような環境設定ではなかったのか。私はまず一番に、そのことを考えました。そして、もし「噛みついた」のが真実であれば、(大外刈りは論外ですが)職員が防衛したことで、その反動で児童に手が当たることはあり得るのかもしれません。

 つまり、(結果的に)他害は誰にも起こり得る可能性があるわけで、それを限りなく生まないような環境設定をする必要があると思うのです。それは、①適切な提示がなされているか、②プレイルームに置いてあるものは適切か、③関わる職員の表情や声掛けはどうなのか。他害を誘発するような要因を取り除くことで、「噛みつく」ということは無くすことも可能だと私は考えます。

スポンサーリンク

支援のスタンスはどのようなものだったか?

 児童への支援スタンスに、どこか「指導的」な一面があったのではないか?次に、そのように思いました。「力ずくでやれば、言うことを聞くだろう」そのような考えがあったのではないか。「噛みついた」ことが真実であれどうあれ、大けがを負わせた理由をそう供述している以上、容疑者の中では日常的にそのような一面があったと、思わずにはいられません。

スポンサーリンク

保護者との関係はどうだったのか?

 仮に、その児童に「噛みつく」という行為が頻繁に見られた場合、保護者にはどのように伝えていたのか。これも、事件の背景で重要な事柄だと感じます。我々支援者は、仮に噛みつかれても、叩かれても、心のどこかで「自分の対応が悪かったから」と思いがちです。そして、ご家族にそれを報告することをためらいがちでもあります。もちろん、環境設定や対応のまずさが他害行為を生むことは間違いないのですが、その環境の中、その児童に見られた行動として、ありのまま真実をご家族にはお知らせしたいと思っています。
 それが伝えられないような関係性だと、クローズな環境の中、矛先がその児童に向いてしまう恐れがあります。施設内虐待の原因も、そういったところにあると感じます。

スポンサーリンク

当該職員の立場について

 容疑者は経営母体の役員で、母親は施設の管理者とのことでした。この立場も、非常に危ういものだと思います。小さい事業所であればあるほど、こういった権力の影響は大きく、容疑者の日常的な行為にノーと言えない風土があったのかもしれません。
 私の考えですが、身内固めをしている事業所に、それ以上の展開はないと思っています。外部の風を上手に入れることで、支援の見直しや経営の透明化がなされると思います。もちろん、「付いていきたい!」と思わせるような人物であれば、トップの身内であれ何であれ付いていきます。ただ、大体は「よそで通用しない」という理由で、身内固めが行われていると感じます。

つまり、劣化コピーということね。

安易な人事配置は、身を滅ぼすということです。

ニュースを考察する
ケニー

福祉事業所にて、療育、生活支援、余暇支援など直接支援や、相談支援専門員など相談職の経験を積み、現在も福祉に携わっています。その過程で2校の通信専門学校へ通い、福祉の資格取得もしてきました。仕事と家庭生活の両立を目指しています。

また、複数の法人立ち上げの経験から、福祉職としての働き方や組織作りにも積極的に取り組んでいます。

ブログでは、資格取得の道のりや勉強のノウハウ、そして福祉職として働いていくためのマインドを発信しています!
勉強のちょっとした小技や役に立つこと、その他実際に私が体験したことなどをお伝えしていきます。

★ケニーをフォロー★
★記事をシェアしてみよう★
福祉の人材を「人財」にするブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました