はじめに
本コーナーでは、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・保育士・さらに国家資格ではありませんが、介護支援専門員の試験に取り組んできた私の経験から、各試験の対策、難易度、傾向と対策をまとめています。今回は介護福祉士編です。他の試験についても随時更新していきます。
介護福祉士国家試験の概要
介護福祉士の国家試験は、毎年一回、年明けの1月に実施されています。社会福祉士・精神保健福祉士と並んで、三福祉士は年に一度のチャンスとなります。
試験は午前・午後の一日にまたがり、問題数は125問あり、『課題の総得点60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする』とされています。
つまり、75点以上を取れば合格できる見通しとなりますが、『課題の難易度で補正した点数以上の得点』とあるように、問題が易しければ75点以上、難しければ75点以下がボーダーラインとなります。
近年は72点~77点の幅があるため、85点程度の得点があれば一安心というところですね。しかしながら、6割を取れば合格のチャンスがあるということで、ある意味チャンスは平等です。
介護福祉士国家試験の傾向と対策
制度的なこと、人物、歴史的な背景などは基本的な部分だけ押さえておけば問題ありません。深追いすると暗記が大変になり、モチベ―ションの維持が大変なのでお勧めしません。
ただ、法律的な改正は敏感になっておきたいところです。特に、介護保険法は必ず確認しましょう。
出題の傾向としては、介護技術や支援に即した部分が重要で、最も問われる部分です。解答がしやすい部分ではありますが、問われているのはあくまで基本です。現在行っている支援方法では誤りの場合もありますから、特に事例問題については過去問を参考にしてみてください。
出題としては、比較的ストレートな類だと感じます。稀に物議を呼ぶ問題はありますが、それは捨てて構いません。マニアックなことを覚えるより、確実な王道問題での得点を目指したいところです。
また、0点科目があると試験自体の得点を満たしていても不合格となりますが、介護福祉士の場合は『人間の尊厳』と『自立と介護の基本』がセット、『人間関係とコミュニケーション』と『コミュニケーション技術』がそれぞれセットになっています。
つまり、『人間の尊厳』で0点であっても、『自立と介護の基本』で得点があれば不合格になりません。その辺りも踏まえて、どの科目を得点源にするか、目測を立てると取り組みやすいです。
しかし、『医療的ケア』の項目に関しては5問しかないので注意です。ここで0点科目とならないよう、重点的な学習が必要です。『障害の理解』という科目も、高齢者介護のみの経験だと解答に難しさを覚えるでしょう。『医療的ケア』と併せて、重点的に学習したいところです。
学習としては、過去問の繰り返しと、テキスト学習で十分かと思います。イメージとして、現在ヘルパーや介護経験があるのから、実務経験から解答を導き出せるものが2割、十分な過去問対策から3割、テキスト学習で1割程度のイメージです。これで6割はクリアしますので、あとはそれぞれの割合の精度を上げていく作業となります。
過去問の取り組み方については、以下の記事を参照ください。
介護福祉士国家試験の難易度
冒頭に述べたように、私は社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・保育士・介護支援専門員の試験に取り組んできました。難易度とは別ですが、取り組みやすさは介護福祉士が一番でした。
理由としては、そのとき私は障害のある方の介護の仕事がメインだったからです。実務と照らし合わせて、比較的楽しく学習することができた記憶があります。わからないことは上司に聴いたりして理解を深めることもしました。
難易度の比較は各資格の価値とは異なるということを前置きしたうえで述べるなら、介護福祉士は門戸が広く、取得しやすいと思われます。
しかし、今まで介護福祉士の国家試験が難関だという声も聞いたことがあります。そのようなご相談も数多く受け付けてきました。結論から言うと、難関であるかどうかは受験する人によるという部分があり、特に上記で紹介した過去問への取り組み方などが大きく左右すると思います。
併せて、運転免許の学科試験のような単純な○×問題ではなく、日本語としての読解力を求められる試験でもあります。今まで活字馴れしていないと自覚するのであれば、声に出してじっくり過去問と向き合ってみてください。
その山さえクリアすれば、あとは6割のラインが見えてくると思います。どうしても介護福祉士の試験を突破したい、だけど自信がない…そんな方は、『急がば回れ』をモットーにしてみてくださいね。
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