今回は、私が受験した第三回公認心理師国家試験のことを書いていきたいと思います。自分が受験した試験のことを忘れないように、そしてこれを読んでくれた方に実際の雰囲気が伝わるように…そんな気持ちです。
以下の3つのことに関して書いていきます。
・人や会場の雰囲気
・受験勉強の内容(勉強法)
・私の感じた試験の難易度
久しぶりに緊張した一日となりました。
人や会場の雰囲気
令和2年12月20日の試験でしたので、関東も寒い一日でした。会場は都内の大学の一室でしたが、一部屋に大人数が入らないように(それでも大人数でしたが)かなり余裕をもって配席されていました。
今回の公認心理師試験、本来であれば令和2年6月に実施予定だったのですが、コロナウイルスの影響で12月に延期になったという背景がありました。したがって、今回の試験に限っては受験を辞退しても受験料が戻ってくるという措置が適応されたため、当日の試験を休む方も見受けられました。体感的には、10人に一人くらいの割合で空席があったように感じます。
受検者の層としては、私のような40代と思われる人が多かったと思います。ざっと見渡すと女性の方が多いかな?という印象でした。
興味本位でどんなテキストを眺めているのか気にしてみましたが、圧倒的に赤本が多かったですね。あとは、個人で作成したカードやノートを見ている方が目立ちました。試験までの時間、何も見ていない方はおられなかったように思います。昼食の時間も部屋から出る方は少なく、熱心に机に向かっている方が多かったです。
受験勉強の内容(勉強法)
私が試験までの間やったことは、とにかく過去問を中心に、その中で分からないことを追って調べてまとめて、それを暗記していくという方法です。過去問から派生していくスタイルで、今まで受けたどの試験(社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・保育士・介護支援専門員)もそのスタイルでやってきました。それらの試験では、余裕を持っての得点で合格をすることができたので、私としてはこれ以上ない試験の勉強法だと思っていました。
今回用いたテキストは「赤本」のみ、スマホのアプリとして「辰巳の肢別」、あと現任者講習テキストも参考にしました。現任者講習テキストに関しては、もう少し見ておけばよかったと後悔しています。
さて、赤本にはブループリント(公認心理師試験出題基準)の全用語の解説があるのですが、参考にはなるものの、今回の試験ではやや内容が足りない解説だったと思いました。これはしょうがないですね。出題がマニアックと言うかかなり細かいところに言及していたので。
私は上記のものを使い勉強をしていましたが、初見の単語はWikipediaやウェブで調べることが習慣となっていました。中には興味を持って深く調べたりするものもあり、結果的にそれがほんのわずかですが得点に結びついたように思います。
あと、私は統計に関しては何も勉強しないで臨みました。(つまり捨て分野として認識していました)その代り、心理検査系は面白かったのでたくさん勉強しました。これも、結果的には大外れでした。
私の感じた試験の難易度
国語的によく読めば正答を導くことができる問題と、初めて見るような単語が出てくるもの、そして過去問や一般的な心理の知識で解くことができるであろう問題がありました。解答が難しい問題とそうでない問題の差が激しく、私に関しては「迷った問題」はほとんどありませんでした。つまり、できるかできないかのどちらかでした。そういった意味合いで、難易度としては高いのではないかと感じた次第です。
例えば、保育士の試験では5択の中から2つまで絞ることができて、その中で迷うという問題が数多くありました。社会福祉士や精神保健福祉士もそうだった記憶があります。しかし、今回の第三回公認心理師試験は、勘で答えるしかない問題が30問近くありました。これは、私の中では異例の出来事でしたので、正直焦りました。
選択肢を絞ることさえでいない問題がそんなにあったのは、圧倒的に知識量が少ないからだと思いました。単語を知らない、用語の解説がわからない、人物を知らない…。統計を捨てていたのでその影響もあったかと思いますが、それにしても分からない問題はとことん分からない問題のままでした。
さて、これまでの試験の過去問は役に立ったかどうかですが、何とも微妙なところだと思いました。これまでの1回、1回追試、2回目に関しては、過去問の選択肢で触れた内容がばらけて出題されていたような問題も多くあった印象ですが、今回、それはほとんどありませんでした。
過去問で出題された知識の少し先を追っていかないと正答できない問題や、過去問で触れられた事柄の背景や派生した知識を問う問題があったことから、過去問に取り組むのが完全に無意味とは思わないものの、過去問中心の知識では、第三回試験の解答は厳しいと思わざるを得ないというのが私の結論です。
しかしながら、難問と容易な問題(取りこぼしできない問題)のバランスで6割得点を目指すという意味合いでは、よくできた試験なのかなと思います。もちろん、私が難問とした中でも容易な問題もあったであろうことから、満遍なく、そして表面的な知識だけではなく応用の効いた知識の会得をすることで正答率はグンと上がるものと感じます。
次の試験では、どんな対策が必要か考えました。例えば、ピアジェの発達理論一つ取ったとして、その段階の名称を覚えるのはもはや当然というレベルです。例えば、ただ単純に「形式的操作期」を選ぶ問題はこの先も出にくいと思われます。第三回試験もピアジェに関することは出題されましたが、他の学者との比較だったり、事例の中でその状態を問われるものだったり、応用編という感じでした。
他にも、心の理論に関しての出題もありましたが、こちらは「サリーとアン(誤信念課題)」は知っていても、プレマックが先行研究をしていたことを知っていた人はさらに少ないでしょうし、その研究対象がチンパンジーであることまで知らないと解けない問題でした。ここでも、誤信念課題の実験内容ではなく、その周辺にまつわる知識の確認だったため、やはり解答の難易度は高いと思いました。
結論として、次の試験は①過去問の知識は最低限知っておくべきものであること、②過去問にて問われたマニアックすぎるものは深追いしない方が良さそう、③その上で、一つのテキストだけではなく複数のテキストや問題集を活用し、知らないことを一つでも知ること、そして一人の人物や事柄にまつわることをひたすら肉付けしていくのが良いと思いました。そして、その知識は正しいものであること、正確に把握しなければ意味がありません。
ここからは勝手な想像ですが、公認心理師試験もまだまだ過去問として分析できるほど回数を重ねていないので、次の試験はこれまで出なかったものが出題されるのではないかと思いました。第一回は別として、2~7回くらいまでそれを重ねたあとで、その後はこれまでの試験で導かれた必要な知識や良問を解体したような問題が出題される、つまりは過去問分析がやっと役に立つ段階に至るのではないかと。
私は、第四回に関しては、過去出題されたもの(特に妙なマニアック問題)はでにくいと予想します。 つまり、ブループリントを基本にひたすら周辺知識を固め、過去問は最低限の知識と割り切り、これまで問われていないものが怪しいのではないかと…。
最後に
試験後の解答速報を私もやってみました。現在のところ3社のものをやりましたが、145~148点といった状況です。面白いのは、私の答えに各社の解答が割れた問題がほとんどなかったことです。私の場合は、はっきりとできる問題とできない問題が分かれたということでしょう。解答速報的にも解答に迷わないような問題を得点できていたということで、手探りの勉強法ではありましたが、一定の成果はあったのかと感じています。これで、もう少し統計を真面目に取り組んでいたらよかったのかもしれません。
大変でしたが、思い出に残る一日となりました。支えてくださった方々、一緒に頑張ってきた仲間にも感謝です!!
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