「施設の支援がうまくいかない」または「職員の動きがイマイチ…」そんな悩みはありませんか?
行動を縛ることのないマニュアルつくりで自発的な関わりを増やし、支援の統一化を図るのが、本記事の狙いです。
今回は、支援マニュアルを作ってみよう!という話です。業務マニュアルはあるけど、支援マニュアルはない…という話をよく聞きます。
習うより慣れろ!という風習が色濃くあるわねぇ。
支援の目安、立ち返るものとして、あってもいいのではないかと思います!
マニュアルは嫌われる!
まず、元も子もない話ですが、支援のマニュアルは嫌われる傾向にあるかと思います。障がい児・者の支援の場では、臨機応変さが求められるからです。それだけ、利用者さんの様子は一定ではありませんし、ハプニングは日常茶飯事。「マニュアルに縛られて支援するな!」という声も聞こえてきそうです。
また、感覚的、直観的に支援している現場もよく見かけます。恐らくは、今支援している職員の支援スキルが高い(いい意味でも悪い意味でも)のだと思います。経験が長い職員が多く、ある程度の事はやれてしまう現場。そのような現場には、マニュアルなんて必要ない…と思われがちでしょう。
そして、未だにこのような現場は数多いと思います。
人材育成の面から、マニュアルを考える
新人教育をするとき、どのように教えるでしょうか。先輩職員の背中を見て、技を盗むように?そんな昔の職人みたいなことをしていたら、時間がいくらあっても足りません。あと、そんなに勘の鋭い職員もめったにいません。現場にいると、ついつい自分と同じような動きを新人にも求めてしまいます。しかし、新人はどんな風に動けばいいか、見当がつかないのです。
そこで、マニュアルがあれば、その現場での動きの基本を知ることができます。その上で、今どんな風にすればいいのか、考えるきっかけにもなるのです。
利用者支援の面から、マニュアルを考える
施設支援においては、食事や排せつ、衛生面の支援をすることが多いと思います。これに関して、個々の利用者さんそれぞれに課題があって、提示や声掛け、ときに順序が異なることが予想されます。これを、全部覚えておくことは非常に困難です。そして、新規支援の導入時には、一度の提示ミスが尾を引くこともありますよね。
それを防ぐため、利用者さんごとに支援の手順書を作ることは、非常に効果的な支援になると思います。どの職員であっても同じ関わりをすることで、習慣化が促進されることを期待します。バラバラの支援では、いつまで経っても習慣化しませんし、本人も混乱してしまうでしょう。
マニュアルは、画一的な支援のためではない!
冒頭に述べた、「マニュアル嫌悪」に関しては、「対人関係の仕事だから」というプライドが邪魔をしているようにも感じます。「機械じゃないんだから…!」という意見です。
「職員も人間なんだから、違う関わりがあって当然!」と反論を受けそうですね。
もちろん、我々も利用者さんも機械ではありません。一つ例え話をしますね。
マニュアルとみそ汁の関係
「みそ汁を作ってください」と言われたら、どうしますか?仮に、みそを知らない状態でしたら、どんなに頑張ってもみそ汁は作れませんよね。だから、当たり前のことですけど、「みそ汁はみそを使って作る」という前提が必要になります。この段階で、ある意味では十分です。マニュアル的には、「 みそ汁はみそを使って作る 」でいいのです。
この段階さえ知ることができたら、次の段階です。ここからはマニュアルにありません。みそ汁に何を入れるか、それこそが職員の個性です。もやしでもいいし、大根、溶き卵でもいい。
ベースはきっちりマニュアルで押さえておいて、その次の段階のオリジナルを引き出すのが、本当のマニュアル作成の狙いです。職員の動きを縛るためのものではないのです。
いかがでしたでしょうか。支援マニュアルの重要性が、少しでも伝わったなら幸いです。
あなたの施設じゃ、さぞかし立派なマニュアルがあるんでしょうねぇ。
実は、以前は膨大なマニュアルがありましたが、だんだん簡易的なものになってきました。ボリュームダウンということです。現場職員とその都度協議をして、今の体制に合ったものにしているのです。
作って満足、作って終わりじゃないのね!
そのとおり!日々の支援を見直すきっかけにも、マニュアルは用いられます!
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