新型コロナと学童保育(放課後児童クラブ)・放デイ(放課後等デイサービス)・保育園が抱える問題・課題と提案【慰労金の支給対象へ】

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働く人財・組織の人財★

はじめに

 今回は、新型コロナウイルスによる影響下における、放課後児童クラブ(学童保育)・保育園放課後等デイサービス(放デイ)の運営について、その問題点課題を見ていきます。

 特に放課後児童クラブ(学童保育)と放課後等デイサービス(放デイ)においては、学校休校の影響も多大なもので、現場の声を挙げていきたいと考えています。

 その上で、放課後児童クラブ(学童保育)・保育園放課後等デイサービス(放デイ)も、厚生労働省が示している医療・介護従事者への支援金の対象になるよう、検討していただきたいと思っています。

 本記事の放課後等デイサービスの部分は主に私が、その他学童保育・保育園の部分は協力者による執筆を含み、第三者のご意見・アドバイスを基に書いております。この場を借りてお礼申し上げます。

 本記事から、各事業の今後の課題も見えてくると思います。

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現状の整理

 令和2年5月下旬現在、地域差はあるものの、概ね以下のような状況です。

放課後児童クラブ(学童保育)

 令和2年3月の学校休業期間より、子どもの居場所確保として開所せよとの厚労省や自治体の依頼により、長い所では朝から12時間にも及ぶ開所を引き受けています。

 通常放課後の支援を想定されている勤務が、通常の倍以上の勤務時間になり、大多数の支援員がパートで構成される学童保育では人員不足は深刻です。扶養内で働くパートには勤務時間の制限があり、常勤はその不足を補う為、地域によっては月収の上乗せもなく、連日長時間の勤務に就かざるを得ない状況です。

 厚労省から出された職員の応援要請についても、ほとんど支援員の不足を補う内容には至らず、3か月倍の時間を開所した人員不足は少なくとも年内迄影響が及ぶと思われます。この状況下で2020年4月から支援員数の配置基準緩和が実施され、40人に対して1人での対応が可能となり、更に職員の負担が増す事が懸念されます。

 また、放課後児童クラブの利用者数は年々増え続けており、1クラスの児童数が50人以上となる所も少なくありません。『一人当たり1.65㎡が望ましい』という(その中にトイレや倉庫等も含まれる場合もある)今の基準では1mの距離を取ることすら難しく、学校再開時の密は必至です。

 体調不良の児童の隔離スペースすら設置は規定されておらず、ない所がほとんどで、もし児童が発熱した場合でも隔離は困難です。

 現場からの声としては、以下のようなものが届いています。

「私は学童保育の支援員です。コロナの問題で今までにないくらい学童保育も取り上げていただいていますが学童保育は社会一般が思っている以上に深刻な状況です。

 国が補助してくれるとありますが、こちらも運営の補てんとする場所もあり、必ずしも職員の収入が増えるわけではありません。働くほど感染リスクだけが高まっていく気がしました。

 また、人手もないので行政とのやりとりや事務(保育料や給料計算も含む)も保育をしながら職員が行っている所が多いです。本来ならば運営者や事務員さんの仕事を現場の支援員がやっているんです。

 学校や保育園などと違い学童保育の雇用形態は1年毎の契約が多く職員も少ない…なのに責任だけは保育園・学校以上に重くなっていく…。

 保育園・学校は元々朝からの勤務ですが学童保育は本来なら放課後受入れの日に
コロナ休校のお陰でずっと朝から開所しています。

 しかも自粛の協力が増えれば学童の収入が減り、人数が増えれば感染リスクは上がる…。

 保育だけでも厳しいのに運営も行い、矛盾だらけ…本当に学童限界です。」

放課後等デイサービス

 令和2年3月の学校休業期間より、ご家庭での生活が難しくなったお子さん、保護者の就労を支援するため、朝から一日支援をする状況となっています。

 通常ですと、特別支援学校や支援学校が終わった放課後部分の支援が主となる放課後等デイサービスですが、朝からの支援を余儀なくされ、職員の疲労感も多大なものとなっているところです。

 そんな最中、厚生労働省からは『コロナウイルス罹患に留意し、利用を控えている児童に関して、電話などで連絡を取ることで基本報酬の算定を可能とする』という通達がありました。これは、具体的に言うと欠席をしている児童に関しても、必要な支援(一番簡単なものは電話連絡)をすることで、通所したものとして報酬を払うというものです。

 これにより、『報酬が変わらないなら休業した方がいい』と判断した事業所も相次ぎ、その時点で開所している事業所はますます利用者が殺到することとなりました。

 ※これを代替え支援と呼んでいますが、休業していても同じ報酬が入るなら、それは休業補償に近いもので、本質的な利用者支援ではないと思われます。後述しますが、開所していた事業所と休業していた事業所には、報酬で差をつけるべきだと考えます。

 なお、行政からの通達としては、『感染拡大に留意しながら、可能な限り利用者引き受けをすること』とされており、開所している現場は大変混乱している状況です。

 しかも、休業している事業所もあることから、『定員をオーバーしても利用者を引き受けることを可能とする』、そして『職員が不足していても報酬の減算としない』というニュアンスの通達もあり、現場はますます過酷な状況となっています。

 情報提供として、ある事業所の運営状況をお知らせいたします。

「送迎時の車内密を避けるため行き帰りの送迎を保護者に依頼しましたが、ほとんどの家庭が難しいとのことで、事業所による送迎(自宅迎え・自宅送り)をしていました。サービス提供時間に沿って9時間の支援時間となります。

 子どもたちのいない午前中に行っていたケース記録やモニタリングやカンファレンス等は、ずっと出来ておらず溜まっています。また、同じく午前中に行っていた活動準備や療育準備は、前日の送迎等が終わってから3時間以上の残業で行い、退勤が21時を過ぎる毎日です。」

 また、職員の働き方により、以下のような状態も生んでいます。現場の声を紹介します。

 「私のような扶養内で働くパート社員は午後からのシフトが基本だったのですが、朝からのシフトになり勤務時間超過の心配もありながら、休んだりシフトを減らすと現場が回らず、3月4月合わせて通常の3ヶ月分の収入になっていました。

 このように職種によって一時的に収入が増えて扶養を超えてしまう件について、今回は超過と見なさないとの国からの通知もあったようですが、保護者の自主的な利用自粛により利用が8割になり、結局は会社が人件費削減のためにパート社員は5月のシフトが大幅に減りました。

私たちパート社員はそれでいいのですが、常勤社員に負担がいっています。」

 利用の自粛を訴えた事業所もありましたが、以下のような現状もあったようです。

 「緊急事態宣言に伴い、またこちらの県が感染拡大地域に指定されたことにより、自治体より保護者へ利用自粛を依頼しても良いという通達があり、利用自粛のお便りを出しましたがあまり変化はなく、通常デイ定員10名+日中一時支援数名の利用が10名をきる(5名~8名)感じでした。」

※日中一時支援とは、放課後等デイサービスとは異なり、地域生活支援事業と呼ばれている事業です。しかしながら、保護者の就労・またはレスパイト(休息)を支える重要な事業となっています。

 さらにお一人、現場からの声を紹介します。

 「放課後等デイサービスにて働いております。学校の一斉休校後から連日朝からの利用者が増えています。様々な困難さを抱えるお子さん達がいる為、3密は避けられず毎日濃厚接触です。いつ感染者が出てもクラスターが起きてもおかしくない状況の中で職員も子供達も過ごしています。

行政の方も一度現場を見に来て頂けたらお分かり頂けるかと思います。休業補償も何もなくただ危険に晒されながら働く事。万が一感染した場合、誰が責任を取ってくれるのでしょうか?」 

保育園

 各自治体により差はありますが、基本的には開園するようにという方針でこれまでやっています。特に、医療従事者やその他社会生活の維持をするご家庭の就労を支えるという部分では、私たち保育士も危険と隣り合わせの業務をおこなっているところです。

 勤務の保育士に関しては、それぞれ勤務に対する意向を聴いてから勤務をお願いしている園もあったようですが、行政の依頼、保護者の要求、そして社会の空気感から勤務を余儀なくされていたと感じます。

 また、三密を防ぐことが困難な状況で、保護者や行政からは感染拡大を厳しく求められ、職員も疲弊しています。退職を決められた職員もおられ、ますます現場は厳しくなっています

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現在抱えている課題

放課後児童クラブ(学童保育)

 児童クラブは多人数を預かる為、集まる人数は学校教室よりも多く、また学校教室で分散されていた1〜6年生が集まる場でもあります。

 机に座って過ごすのではなく、本来子ども達同士が自由に交流を持つ放課後児童クラブでは多人数との接触は避けられません。マスク着用が苦にならない児童ばかりではなく、低学年にはマスクの正しい着用や管理も難しいです。

 日によっては10時間以上も同じ空間で過ごし、同じおもちゃや本等を共有して過ごす児童同士の感染リスクを限られたスペースでどう減らすか、また夏に向けて更に、暑さでマスクを外したがる子どもや、換気の問題など熱中症対策との両立をどうするかも課題となります。

放課後等デイサービス

 放課後等デイサービスは、基準として一人当たりの面積は定められていますが、三密を防ぐことは困難です。

 まず、障害特性などもあり、窓を開けることでの危険があるため、換気が困難な状況が挙げられます。また、身体介助も必要な児童も多く、食事、トイレ時などの介助時には密接な接触となることは避けられません

 また、自発的な衛生管理が難しい児童も多く、咳エチケット、くしゃみの対応など難しいところも多々あります。

 現場の声を紹介いたします。

 「学童等に比べて利用者も少ない放課後デイですが、もともとの建屋が大きくないので人と人の距離はとても近く、発達障害児の支援ということで、トイレや食事の介助、そして児童の中には感覚過敏等でマスクができない、手が洗えない子もいます。食事の際も対面は避けられません。」

 さらに、放課後等デイサービスの特色でもありますが、ひとつの事業所ではなく複数事業所を使う児童が多く、おのずと人との接触も多くなることから、利用児童、職員も罹患のリスクと隣り合わせという現状もあります。

保育園

 基本的な部分は上記2つの事業と同様です。罹患のリスクと隣り合わせではあるものの、『子どもたちに感染させてはならない』という保護者の想いも感じ取ることができるため、非常に神経をすり減らしている状況です。

 現場の保育士の中には、子育て世代の方もいます。お子さんを他の保育園に預けて、またはご両親に預けて、ときには一人で留守番をさせている場合もあります。

 誰のための、何のための保育なのか、自分を見失いそうになりながら日々に追われています

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今後の展開について

保育園

 緊急事態宣言の解除から、社会経済活動も元通りになってくると思われます。当然、これまで自粛を続けていたご家庭・お子さまにおいても、通常の保育園通園となる見通しとなります。

 しかし、新型コロナウイルスの脅威が去ったわけでもなく、これからも現場は感染拡大に留意しながら工夫して保育を展開していくことになります。これに係る労力は多大なもので、職員の疲弊も明らかです。

 この騒動で、私たち保育園に勤務する保育士は、現状を見直す機会にもなりました。保護者の就労を支えるという側面は十分に理解しつつも、この状況下でその事実に疑問を感じてしまった側面もあります

 報酬面、待遇面、そして社会的な認知も含め、声を挙げなければ変わらないと強く思います。

 『子どもが好きだから働くことができる』『子どもの面倒を見ていることが仕事』それは保育士のほんの一面に過ぎません。

 保育園は、子育て世代の家族機能を支え、社会経済活動をする上で欠かせない仕事、そして未来を創るうえで必要不可欠な仕事です。下記にもある通り、『厚生労働省が検討している最大20万円の支援金支給』の対象事業となるよう、切望します。

放課後児童クラブ(学童保育)・放課後等デイサービス・一部保育園共通

 令和2年6月より、学校は分散登校と言って、日によって学校に行く児童と行かない児童に分かれます。つまり、開所をしている放課後児童クラブ及び放課後等デイサービスは朝から夕方までの一日支援を余儀なくされることになります。

 さらに、3月から現在まで続く学校休校などの影響で、児童の精神的・情緒的な状態も崩れていることが予想されます。このような状態で支援を続けることは、我々職員にとっても初めてのことであります。児童の心身のケアはもちろんのことですが、どうなるかわからない不安感も同時にあります。

 元から夏休みなど長期休暇時は、身体的にも精神的にも厳しくなる勤務です。放課後等デイサービスにおいては送迎もありますから、時間帯的な目安としては朝の8時から夕方19時まで、休憩もなく拘束される職員も珍しくはないと思います。

 送迎こそありませんが、放課後児童クラブ(学童保育)の職員も、さらに長い長時間勤務となります。これが、3月から6月まで続くことは、非常に問題だと思われます

 言わずもがな、現場レベルの不満感が高まっていることが危惧されます。もちろん、虐待はあってはならないものですが、密接した空間、長時間の支援、そして保護者の要望に応え続けることでのストレスは想像以上のものとなっています

 もちろん、職員としては利用者のコロナウイルス罹患、感染拡大を防ぐ措置を講じつつ、自らの命も危険と隣り合わせとなる状況を産んでいます。

 もう一つは、各事業の経営です。

 この状況下、開所している事業所の職員は出口の見えないトンネルを進むような気持で利用者支援・家族支援をおこなってきました。責任感・義務感・使命感、どのような言葉で例えても正確な表現はできかねますが、非常に複雑な気持ちで向き合ってきました。

 このような状況が続くと、職員も燃え尽きてしまい、貴重な人材を逃してしまうこととなります。当然、人がいないとこれらの事業は成立しません

 したがって、学校休業期間、危険と隣り合わせで開所し利用を引き受けた放課後児童クラブ(学童保育)、放課後等デイサービス事業所・職員に厚生労働省が検討している最大20万円の支援金支給を提案します

 合わせて、保護者の就労の維持を支えた保育園とその職員にも、支援金支給を強く提案します

注※ 令和2年5月29日(金)現在、障害福祉サービスはすべて対象という文言があるので、放課後等デイサービスは対象と考えられます。学童、保育園は言及がありません。下記リンク参照。

 先日、政府が決定した『日本全国の小中学校すべてに最大500万円を支給する』という決定に関しても、その必要性は認識しているものの、なぜ放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、保育園が対象外なのか疑問です。

 最後にもう一点としては、放課後児童クラブ(学童保育)、放課後等デイサービスにおいては、学校との更なる連携です。

 現在コロナウイルスは収束に向かっている様子ですが、まだ第二波、第三波が起こる可能性も残されております。

 そのような事態になったとき、学校との調整において柔軟な開所を検討したく、更なる連携強化、意見交換の実施の機会などを求めます。

 学校休校の児童の受け皿として開所を続けてきた放課後児童クラブ(学童保育)、放課後等デイサービスにおいては、一方的な休校決定と国による開所要請にどうしても納得できません。

 今後は調整と連携の強化なくしては、乗り越えられません。

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まとめ

 この記事で、放課後児童クラブ(学童保育)、放課後等デイサービス保育園の現状が少しでも伝わったなら幸いです。

 明らかな三密でありながら、国の要請に合わせて開所を続けたこと、そのことの意味合いを考えると、シンプルに『必要不可欠な事業である』ということです。必要不可欠であるということを認めているにもかかわらず、その処遇は納得のいくものではありません

 国の要請は、我々に『無理を承知でお願いしている』という類のものです。そして、その代償は私たちの命、そして家族の命でもあります。

 これを読んでくださった皆さまには、放課後児童クラブ(学童保育)、放課後等デイサービス保育園の現状のありのままを知ってほしいと思います。

 そして、子どもに関わる仕事、介護など福祉に携わる全般に言えますが、ボランティア精神や自己犠牲の精神だけでは、仕事としては成立しないことも知ってほしい部分です。

 一人でも多くの方が、この記事を目にされますように。

#学童放デイ保育園にも支援を

※本タグでツイートしてくださると幸いです。

働く人財・組織の人財★
ケニー

福祉事業所にて、療育、生活支援、余暇支援など直接支援や、相談支援専門員など相談職の経験を積み、現在も福祉に携わっています。その過程で2校の通信専門学校へ通い、福祉の資格取得もしてきました。仕事と家庭生活の両立を目指しています。

また、複数の法人立ち上げの経験から、福祉職としての働き方や組織作りにも積極的に取り組んでいます。

ブログでは、資格取得の道のりや勉強のノウハウ、そして福祉職として働いていくためのマインドを発信しています!
勉強のちょっとした小技や役に立つこと、その他実際に私が体験したことなどをお伝えしていきます。

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